これで安心!採用結果の電話・メール別連絡方法と入社手続きフローのすべて
求人募集開始から書類審査、面接を終え、合否の結果が出たら、長かった採用活動もいよいよ大詰めです。応募者に結果を伝えましょう。
しかし、「選考結果を出した後、どのように連絡したらいいのか」「連絡後のフローが分からない」と迷ってしまうこともありますよね。
採用担当者が応募者にどう採用結果を連絡するのか、また、内定者にどう入社まで接するのか。これらの進め方は、入社意欲に大きな影響を与えます。
今回は、採用のプロである私たちが、採用結果の連絡方法から内定者が入社するまでの流れ、すぐに使えるメール返信、電話例までお伝えします。
良い印象を持ったまま内定者に入社してもらうために、選考結果の連絡方法や入社までにやるべきことを把握しておきましょう。
採用結果連絡から内定者の入社までのフロー
まずは、採用結果を伝えてから入社するまでのフローをみていきましょう。
採用結果別の連絡と手続きのフロー
選考が終わり採用結果が出たら、応募者に連絡します。
応募者への連絡方法は、【合否に関わらず連絡する場合】と、【合格者にのみ連絡する場合】の2つがあります。
自社の応募状況や採用スケジュールを考慮して、最適な方法を選びましょう。
(1)合格結果(内定)の連絡をする
(2)内定書類作成をし、内定者に通知する
(3)内定承諾・辞退の連絡を受ける
(4)雇用契約を結ぶ【契約成立】
《不合格の場合》
・不合格結果の連絡をする or しない
ここからは、合否別に何をどのように進めて行けばいいのかについて、詳しく説明していきます。
◆合格の場合
(1)内定の連絡をする
採用が決まったら、まずはじめに内定者へ内定の連絡をします。電話かメールを使い、採用試験に合格した旨を速やかに伝えてください。
内定通知書などの書類をどうするのか(郵送するか、内定通知面談の際に渡すか)も合わせて伝えておくと良いでしょう。
応募者への内定連絡は、応募者にとっても企業にとっても重要ですので、可能な限り早く行なってください。以下に理由をまとめています。
■応募者
・採用結果を待っているから
・別の企業への選考辞退などの連絡が必要になるから
・自社の求める人材を確保できるチャンスだから
・連絡が遅くなることで別の企業に入社してしまうことを防げるから
(2)内定通知書等の書類を作成し、通知する
応募者に内定の連絡をしたら、内定通知書と入社承諾書を作成しましょう。
内定通知書には問い合わせ先や、郵送の場合、返送期日を記載するため、間違いのないように作ります。
内定通知書と入社承諾書に記載する項目は、以下の通りです。
・差出人(社長か人事部長の名前)
・(決定している場合)内定者の入社日
・採用選考受験へのお礼と、選考に合格した旨
・添付書類一覧
・入社承諾書の返送期日
・問い合わせ先
《入社承諾書に記載する項目》
・宛名(社長の名前)
・内定者が記入する項目(日付、署名、捺印)
・内定者が入社を承諾する旨
・入社に関する注意事項
書類を作成したら、内定者に郵送するか、内定通知面談などで来社した時に記入してもらうか、どちらかの方法で進めます。郵送する場合は、すみやかに書類を送付しましょう。
(3)内定承諾・辞退の連絡を受ける
内定通知書と入社承諾書を送付したり、内定通知面談を行ったりしたあとは、内定者からの受諾か辞退かの返答を待ちます。
企業としては内定承諾の連絡がくるのが望ましいですが、現実には内定辞退の連絡がくることもあります。
残念ながら辞退の連絡を受けた場合でも、採用選考受験へのお礼を再度応募者に伝えましょう。
無事に応募者から入社承諾書を受けとった場合は、雇用契約の締結に進みます。
(4)雇用契約を結ぶ【契約成立】
最後に、企業と内定者の間で雇用契約を結びます。雇用契約書を用意し、内定者に郵送するか、内定通知面談などで来社した時に記入してもらうか、どちらかの方法で進めます。
郵送する場合は、すみやかに書類を送付しましょう。
雇用契約を結ぶ際には他にも必要な書類があります。以下にまとめていますので、確認してください。
・雇用契約書
・源泉徴収票
・年金手帳
・健康保険被扶養者異動届
・雇用保険被保険者証
・扶養控除等申告書
《必要に応じて提出依頼する書類一覧》
・住民票
・健康診断書
・卒業証明書
◆不合格の場合
応募者は、選考結果次第で「今後の就職活動を継続しなければならないかどうか」を判断する必要があります。
選考の結果、不合格となった場合は、応募者に速やかに連絡をしてください。
採用結果の連絡方法のポイントと今すぐ使える例文
ここからは、採用担当者が応募者に採用結果を連絡する方法と、合否の連絡に使える例文を記載していきます。
参考にしてくださいね。
採用結果の2つの連絡方法
企業が応募者へ採用結果の連絡をするときの一般的な方法は、「電話」と「メール」です。
それぞれの連絡方法別のポイントと、今すぐ使える例文をみていきましょう。
電話連絡のポイントと今すぐ使える例文
◆電話連絡のポイント
電話連絡は、応募者の今後の予定をすぐに聞く事ができるなど、スムーズなやり取りが可能です。
以下に、電話連絡をする際のポイントをまとめましたので、確認してください。
・聞き取りやすい声でゆっくり、はっきりと話す
・曖昧な話し方をせず、分かりやすく話す
◆今すぐ使える例文
(1)内定の場合
合格した応募者に、内定通知をする際のポイントと今すぐ使える例文を記載していますので、参考にしてください。
・採用結果、部署、雇用形態など漏れなく、分かりやすく伝える
・入社の意思確認を「どの方法で」「いつまでに」「誰に伝えて欲しい」など、今後内定者が何をしたらいいのか示す
・(入社の意思確認が取れた場合)入社手続きを行う日時、必要な持ち物を伝える
企業「株式会社●●●●の○○です。◎◎様の携帯電話でよろしいでしょうか?」
応募者「はい。」
企業「ありがとうございます。先日お受けいただきました面接結果についてご連絡を差し上げました。5分少々お時間をいただけますでしょうか?」
応募者「はい、大丈夫です。」
企業「この度は、当社の採用選考にお越しいただき、誠にありがとうございました。厳選なる審査の結果、◎◎様を正社員としての採用が決定いたしました。つきましては、○月○日までに、入社していただけるかどうかを、お電話あるいはメールにてご連絡いただけますでしょうか?」
※入社の意思確認が取れた場合※
応募者「内定とのご連絡をいただきありがとうございます。ぜひとも御社に入社させていただきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いします。」
企業「ありがとうございます。では入社手続きのためにご来社いただきたいのですが、来週のご都合はいかがでしょうか?」
応募者「来週ですね。スケジュールを確認しますので、少々お待ちください… 来週ですと火曜日、水曜日以外の15時以降でしたら、問題ありません。」
企業「ありがとうございます。では、●月●日(●曜日)の●時はいかがでしょうか?」
応募者「はい、大丈夫です。」
企業「場所は面接時にお越しいただいた大阪本社となります。当日は筆記用具と印鑑をご持参ください。」
求職者 「大阪本社に●月●日(●曜日)の●時ですね。かしこまりました。」
企業 「ありがとうございます。では、●月●日(●曜日)の●時に大阪本社にてお待ちしておりますので、お気をつけていらしてください。よろしくお願いいたします。」
求職者 「はい、よろしくお願いします。」
企業「お忙しいところありがとうございました。失礼いたします。」(2)不合格の場合
不採用となった応募者に、不合格通知をする際のポイントと、今すぐ使える例文を記載していますので、参考にしてください。
・お互いに気持ちのいい採用活動や就職活動をするために、「不合格」「不採用」というワードや不採用の理由を伝えるのは避ける。
・「当社を選び応募してもらったことへの謝意」「不採用にしてしまって残念だったという気持ち」を伝えられるよう、丁寧な連絡をする。
・言った言わないのトラブルにならないよう、電話で不合格通知をした場合でも必ず、メールなどの「文面」で残しておく。
企業「株式会社●●●●の○○です。◎◎様の携帯電話でよろしいでしょうか?」
応募者「はい。」
企業「先日は採用試験にお越しいただき、誠にありがとうございました。厳正な審査をさせて頂きましたが、残念ながら今回はご希望に添いかねる結果となりました。このような結果をお伝えすることになってしまい誠に残念ですが、ご理解いただければ幸いと存じます。追って書面でもご連絡を差し上げますが、履歴書等の選考書類を◎◎様宛に返送いたします。内容をご確認いただきますようお願い申し上げます。◎◎様が今後より一層ご活躍される事をお祈りしております。」
応募者「承知いたしました。わざわざご連絡をいただき、ありがとうございました。」
企業「こちらこそ、お忙しいところありがとうございました。では、失礼いたします。」メール連絡のポイントと今すぐ使える例文
◆メール連絡のポイント
メールによる採用通知は、電話ほど時間帯を気にする必要もなく、文章として残すことができます。
万が一「内容が違う」「その内容は聞いていない」など応募者とトラブルになった場合でも、あとで見直すことができるため、スムーズに対応することが可能です。
以下に、メール連絡のポイントをまとめましたので、確認してください。
・件名が曖昧な表現だと、重要度の低いメールだと思われて読んでもらえない可能性もあるため、一目見て採用結果だと分かるように工夫する
・事務的な文章ではなく、相手が読んだ際にどのような感情を抱くのかを意識して文章を考える
・箇条書きで簡潔に、わかりやすい記載をする
◆今すぐ使える例文
(1)内定の場合
合格した応募者に、内定通知をする際のポイントと今すぐ使える例文を記載していますので、参考にしてください。
・採用結果・部署・雇用形態などについて、漏れなく、分かりやすく記載する。
・入社の意思確認を「どの方法で」「いつまでに」「誰に伝えて欲しい」など、今後内定者が何をしたらいいのかを示す。
内定通知書や入社承諾書を内定者に郵送し、返送してもらうか、内定通知面談などで来社した際に記入してもらうかでメールの内容が変わります。
《採用関連書類を郵送し、返送を依頼する場合》
件名:株式会社●●●●の選考結果につきまして
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◎◎様
株式会社●●●●の○○と申します。
このたびは当社の採用選考にご応募いただき、
誠に有難うございました。
厳選なる審査の結果、
◎◎様を正社員として
採用することに決定いたしました。
つきましては、
下記の書類を郵送いたしましたので、
ご確認のうえ、令和〇〇年〇月○日までに
ご返送ください。
●採用関連書類
・入社承諾書
●ご用意いただくもの
・最終学校卒業証明書
・健康診断書
なお、ご不明な点等ございましたら、
当社人事部○○(00-0000-0000)まで
お問い合わせください。
◎◎様に入社いただけることを、社員一同大変嬉しく思っております。
メールにて恐縮ですが、ご連絡申し上げます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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株式会社●●●●
○○ ○○
住所:〒000-0000 ○○県○○市○○町○○
TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000
URL:http://ooooooooooo.co.jp
Mail:ooooooo@ooooooo.co.jp
《内定通知面談などで来社し、採用関連書類に記入してもらう場合》
件名:【株式会社●●●●】採用結果に関するご案内
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◎◎様
株式会社●●●●人事部の○○です。
先日はお忙しい中、面接にお越しいただき、
誠にありがとうございました。
選考の結果、◎◎様にぜひお力添えをいただきたく
内定と決定いたしましたので、
取り急ぎご報告申し上げます。
再度、入社日・条件等のお打ち合わせに
お越しいただければと思いますが、
来週のご都合はいかがでしょうか。
ご連絡を頂戴できればと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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株式会社●●●●
○○ ○○
住所:〒000-0000 ○○県○○市○○町○○
TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000
URL:http://ooooooooooo.co.jp
Mail:ooooooo@ooooooo.co.jp
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(2)不合格の場合
不採用となった応募者に不合格通知をする際のポイントと、今すぐ使える例文を記載していますので、参考にしてください。
・お互いに気持ちのいい採用活動をするために、「不合格」「不採用」というワードや不採用の理由を記載することは避ける。
・「当社を選び応募してもらったことへの謝意」「不採用にしてしまって残念だったという気持ち」を伝えられるよう、丁寧な文章で連絡をする
件名:株式会社●●●●の選考結果につきまして
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◎◎様
株式会社●●●●の○○と申します。
このたびは、当社の採用選考にご応募いただき、誠に有難うございました。
厳正なる審査の結果、誠に残念ではございますが、今回は採用を見合わせていただくことになりました。
ご希望に添えず恐縮ですが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
多数の企業の中から当社に応募いただきましたことに感謝するとともに、◎◎様のより一層のご活躍をお祈り申し上げます。
—————————————————————株式会社●●●●
○○ ○○ 住所:〒000-0000 ○○県○○市○○町○○
TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000
URL:http://ooooooooooo.co.jp
Mail:ooooooo@ooooooo.co.jp
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採用結果の連絡から入社まで、事前に決めておくべき3つのこと
採用(内定)通知を出したからといって安心してはいけません。
採用通知やその後のフローに不備があったり、相手に不安や不信感を与える対応をしたりしてしまったために、内定者に内定を辞退される場合があります。
入社直前での辞退は、採用担当者にとってはもちろん、会社にとっても大きな不利益となります。
間違いなく入社してもらうために、事前に決めておくべき点を確認しましょう。
(1)最終選考から内定通知するまでの期間
【最終選考の3日後から1週間後まで】など、最終選考から内定通知までの期間を定めている企業が多くあります。
この期間をあらかじめ決めておかずに時間が経ってしまうと、応募者の他社での就職活動が進んでしまったり、他社への入社を決めてしまったりと、これまでの採用選考が無駄になる可能性があります。
特に、最終選考まで残っている応募者は、それまでの選考で評価されている人たちです。
確実に入社してもらえるよう、早めの合否判断と手続きが重要です。
この期間が短ければ短いほど、結果を心待ちしている応募者の不安を軽減できるということも心に留め、迅速な選考と内定通知を行ってください。
(2) 応募者へ採用通知の電話をかける時間帯
多くの企業では比較的早い時間に電話をかけます。
朝一番、遅くとも午前中には連絡をしましょう。
万が一、応募者がこちらの電話に出なかった場合は、「留守番電話にメッセージを入れる」「早い時間帯だけではなく別の時間帯にも再度連絡する」などルールを決め、柔軟に対応することで、効率よく連絡をすることができます。
(3)内定者が入社するまでフォローする
無事雇用契約を結んだ後も、内定者は多くの不安を抱えています。
新しい会社での仕事や職場での人間関係に不安を感じ、内定を辞退するケースもあります。
内定辞退という結果にならないためにも、採用担当者は内定者がささいな不安や疑問点でも気軽に相談できる機会や窓口を設けるなど、内定者が企業とコミュニケーションをとりやすい環境を作るように工夫しましょう。
《内定者フォロー例》
1)内定後アルバイトの実施
内定者の不安を解消しながらフォローを行う例として、「正式な入社日までの間、社内でアルバイトとして勤務してもらう」という方法があります。
アルバイトを実施すれば、内定者は職場での業務を詳しく知ることができるだけでなく、入社前に社員との親睦を深めることができます。
アルバイト期間中に内定者と社員との理解が進み関係が深まれば、内定辞退のリスクを減らすことができます。
また内定者も、入社してからスムーズに業務を進められるため、内定後のアルバイトは企業と内定者の双方にメリットがあるといえます。
2)内定者懇親会の実施
近年、内定者懇親会を実施する企業が増えています。
内定者同士が親睦を深めれば、お互いの不安も解消されます。
3)社内イベントへの招待
忘年会などの社内イベントに内定者を招待しても良いでしょう。
会社の雰囲気を肌で感じたり、今後一緒に働く社員について知ることで、社内に頼れる人を見つけることができ、本人の安心につながります。
まとめ
応募者は合否結果はもちろん、合格した場合も入社までは不安な気持ちでいる人が多くいます。
その不安を取り除くことも含め、連絡や手続きは抜かりなく行うことが大切です。
採用担当者の伝え方や対応の一つひとつが会社のイメージから入社率にまで大きく関わるので、丁寧で誠実な対応を心がけましょう。
この記事を参考にして、「是非、当社に来ていただきたい」という気持ちが応募者に伝わる、採用結果の連絡方法と入社までのフローを考えてくださいね。
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これさえ読めば採用活動のすべてが分かる!
「採用活動前に読んでおきたい記事まとめ」
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誰にも聞けない採用活動の詳細を、ステップごとに分かりやすくまとめました。
5分程度で読める記事ですので、ぜひお読みいただき、御社の採用活動にお役立てください。
STEP1 採用計画の立て方
STEP2 採用方法の選定
STEP3 求人票の作成
STEP4 応募者対応の方法